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大切な歯を抜かずに残す
精密根管治療

歯の奥深くまで進行してしまったむし歯や、以前に治療した歯の再感染に対して行う専門的な治療です。歯の内部にある「根管」という細い管から、感染した神経や細菌を徹底的に除去し、無菌状態で密封することで歯を抜かずに残すことを目的としています。

当院では口腔外科専門医による全身管理のもと、マイクロスコープ、CT、ラバーダム防湿といった先進的な設備を駆使した精密な根管治療を実施しています。「他院で抜歯と言われた歯」でも、適切な根管治療で保存できるケースがあります。

こんな症状はありませんか?

  • 何もしていなくても歯が激しくズキズキと痛む
  • 歯ぐきが腫れて膿が出る
  • 噛むと歯の奥が響くように痛む
  • 以前治療した歯が再び痛み出した
  • 冷たいもの・熱いものが長時間しみ続ける
  • 歯の色がグレーや黒っぽく変色してきた
  • 歯ぐきにプチッとした「できもの」がある

これらの症状は、歯の神経(歯髄)が炎症を起こしているか、すでに壊死している可能性を示しています。特に夜間の激痛や、以前治療した歯の痛みは、根管内での細菌感染が疑われ、放置すると根の先に膿の袋(根尖病変)を形成し、最終的には抜歯に至ることもあります。

根管治療はなぜ困難なのか

根管は直径わずか0.1〜1mm程度の極めて細い管で、しかも複雑に湾曲・分岐しています。日本人の奥歯では通常3〜4本の根管がありますが、まれに5本以上見つかることもあります。従来の肉眼での治療では内部構造を直接確認することができず、「手探り」で行わざるを得ませんでした。

厚生労働省の調査によると、日本の保険診療における根管治療の成功率は約60%程度とされており、再治療を繰り返すうちに最終的に抜歯となるケースも少なくありません。この成功率の低さの主な原因は、感染組織の取り残し副根管の見落とし治療中の唾液(細菌)の再侵入です。

当院では、口腔外科専門医としての豊富な経験と、マイクロスコープ・CT・ラバーダム防湿を組み合わせた「見える化・無菌化根管治療」で、これらの課題を解決し、成功率の向上に取り組んでいます。

中野富士見町つちだ歯科の根管治療の特徴

口腔外科専門医による全身管理

口腔外科専門医による全身管理

院長の土田修史は日本口腔外科学会認定専門医・日本有病者歯科学会認定専門医として、高血圧や糖尿病をお持ちの方、ご高齢の方まで安心・安全に治療をお受けいただける体制を整えています。根管治療中の急性症状にも迅速に対応いたします。

マイクロスコープによる精密治療

マイクロスコープによる精密治療

肉眼の最大20倍に拡大し、根管内の構造を直接目で見ながら治療を進めます。見落としやすい副根管(枝分かれした細い管)も発見でき、感染の取り残しを防ぎます。治療映像はモニターに映し出すため、患者さまにも治療内容を実際にご確認いただけます。

CT撮影による3次元診断

CT撮影による3次元診断

通常のレントゲンでは確認できない根管の立体的な走行や、根の先の病変の広がりを3次元で正確に把握します。神経に近い難症例や、見えない根管の発見に不可欠な検査として、ほぼ全例で実施しています。

ラバーダム防湿による無菌的処置

ラバーダム防湿による無菌的処置

治療する歯をゴムのシートで唾液から完全に隔離し、口腔内の細菌が根管に侵入することを防ぎます。ラバーダム使用により根管治療の成功率が有意に向上することが報告されており(Ng et al., Int Endod J 2008)、世界的に標準とされるプロトコルです。

ニッケルチタンファイル(NiTi)の活用

ニッケルチタンファイルの活用

従来のステンレスファイルに比べて柔軟性が高く、湾曲した根管にも無理なく追従します。根管壁を過度に削ることなく、効率的かつ安全に感染部位を除去できます。

「神経を取る=歯がダメになる」は誤解です

「神経を取ると歯が弱くなる」と心配される方もいらっしゃいますが、感染した神経を放置する方がはるかに危険です。適切な根管治療で細菌感染を除去し、精密に封鎖すれば、歯は十分に機能し続けます。

当院では「1本でも多くの歯を残したい」という院長の想いのもと、他院で「抜歯しかない」と診断された歯についても、CT検査を含む精密診断を行い、保存の可能性を慎重に検討いたします。セカンドオピニオンのご相談も歓迎しています。

治療の流れ

STEP 01.

精密診断

デジタルレントゲン・歯科用CTで根管の数・形態・病変の範囲を正確に把握します。

精密診断

STEP 02.

治療計画のご説明

検査画像をモニターでお見せしながら、現在の状態・治療の選択肢・期間・費用を分かりやすくご説明します。

治療計画のご説明

STEP 03.

根管治療開始

ラバーダム装着後、マイクロスコープ下でNiTiファイルを用いて感染組織を除去。次亜塩素酸ナトリウム等で繰り返し洗浄・殺菌します。

根管治療開始

STEP 04.

根管充填

感染が完全に除去できたことを確認後、ガッタパーチャで根管を緊密に封鎖します。

根管充填

STEP 05.

歯冠修復

ファイバーコア(土台)とセラミッククラウンで歯を修復し、機能と審美性を回復します。

歯冠修復

STEP 06.

定期メインテナンス

治療後も3〜6ヶ月ごとの定期検診で、根管治療の成功を長期的に確認していきます。

定期メインテナンス

リスク・副作用

本治療における主なリスク・副作用は以下のとおりです。治療前に必ずご確認ください。

  • 治療後に一時的な痛みや違和感が生じる場合があります(通常2〜3日で軽減)
  • 歯根が極端に湾曲している場合、完全な清掃が困難な可能性があります
  • 神経を除去した歯は脆くなるため、クラウンでの保護が必要です
  • 再根管治療の場合、初回治療より成功率がやや低下する可能性があります
  • まれに治療中にファイルが破折することがありますが、マイクロスコープ下で除去を試みます
  • マイクロスコープ使用の精密根管治療(自費診療)では成功率と歯の寿命の向上が期待できます
  • 詳細なリスク説明は診察時に個別にご案内いたします

料金について

根管治療は基本的に保険適用の治療です。マイクロスコープ使用の精密根管治療(自費診療)もお選びいただけます。詳しい料金については、診査・診断後に丁寧にご説明し、事前にお見積もりをお渡しいたします。

よくあるご質問

  • 治療回数はどのくらいですか?

    通常のケースで3回、感染がひどい場合は4〜5回が目安です。前歯の方が回数は少なくなる傾向があります。治療前に具体的な回数をお伝えします。

  • 治療中の痛みが心配です

    電動麻酔器や極細針を使用し、痛みを最小限に抑えています。急性の炎症がある場合は鎮痛剤の併用で対応いたします。

  • 他院で抜歯と言われましたが、残せる可能性はありますか?

    口腔外科専門医としての知見とCT診断で、保存可能性を慎重に判断いたします。歯根破折や著しい骨吸収がある場合は抜歯をお勧めすることもあります。

  • 保険と自費の根管治療の違いは何ですか?

    自費診療では、マイクロスコープ・ラバーダム・NiTiファイルを使用し、1回60〜90分の時間を確保します。成功率と歯の寿命に大きな差が生まれます。

  • 根管治療後に被せ物は必要ですか?

    はい。神経を除去した歯は脆くなるため、クラウン(被せ物)で保護することで破折を防ぎます。

    審美歯科について

ご予約・ご相談

歯の激しい痛みでお困りの方、他院で抜歯を勧められた方も、まずは一度ご相談ください。当院では「未然に防ぐ」ことの重要性を痛感し、お口の健康から全身の健康を守るという信念のもと、1本の歯を諦めない精密で誠実な根管治療を実践しています。あなたの10年後の食事、会話、笑顔を守るために、私たちと一緒に歯を残す可能性を探りませんか。

この記事の監修・執筆者

土田 修史

中野富士見町つちだ歯科 院長

土田 修史

中野富士見町つちだ歯科院長。口腔外科専門医として、医科大学病院や地域基幹病院で口腔外科・内科疾患に対する診療を経験。麻酔科・救命救急での医科研修を通じて、全身状態の評価・管理と救急時への対応についての技術と知識を習得。患者さまお一人おひとりに寄り添う「頼れるホームドクター」を目指し、近隣医療機関と連携した安心・安全な診療を提供している。

  • 歯科医師
  • 医学博士(獨協医科大学)
  • 日本口腔外科学会 認定専門医
  • 日本有病者歯科学会 認定専門医
  • ASC(米国麻酔学会分類認定)
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